伊坂幸太郎の『PK』に三島由紀夫が出てきたのをみて、これはやはり読むべきなのではないかと思い、積ん読しておいた『行動学入門』を手に取った。三島由紀夫については、自決した人、という印象しかなかった。以前より、どんな思想を持ち、どういった文章…
朝4時半に目が覚めた。また眠りにつこうとするが寝付けず、徐々に空が白んできた。今日一日やることがない。にもかかわらず、6時前から活動を開始しなければならない状況になってしまった。困り果てる、という状態を超えて、気味が悪かった。洗濯物を干し…
帯に「いま、売れてます」という文句が書かれている。それは、どういう意図があるのか。甚だ疑問だった。面白いと謳うのではなく、買っている人が多いよ、と宣伝するのは内容を、もっと言えば著者を無視した行為ではないのか。と、まんまと乗せられてしまっ…
お盆休み、と言えば、漫画の読み直しだろう。冷房をかけた部屋の中、布団の上で、お菓子やジュースを飲みながらも悪くない。読み直したのは、『あひるの空』というバスケ漫画。そもそも、読書になるのか。いや、読書ではないと思うが、少なくともそこには夢…
ねぇねぇ、聞いて聞いて。という前振りは、果たして有効なのか。普段何気なく友人に使っている方も少なくないのではないかと思う。驚くべきことを今から伝えるから、よく聞いてね。と、ある程度の同調を強要してから話し始めるというのは少し気がひけるのだ…
訳がわからないけど不快感はなく、むしろそれに興味を抱いている状態を、仕方なく“不思議”と表現している。まさに不思議だった。普段の想像力では到底辿り着けない境地まで、『ジャイロスコープ』は連れていってくれている。それが面白かったかどうかは、私…
『さくらえび』というタイトルが目に入ってきた瞬間、読まなければ、という脅迫観念に襲われた。私が読まなくて誰が読むというのだろうか。本屋さんで使命感が芽生えたのは、初めてである。 「さくらももこ」と「さくらえび」、どんな結末を迎えるのか。迷い…
もう、ブログを始めて一年になった。ということは、東京から戻ってきて、一年ちょいになる。まだ一年か、もう三、四年は経っている気がする。感覚としては長い一年だった。ところで、ブログ、そろそろ終わりにしたい気もする。有難いことに「スター」を頂く…
異端。これが真っ先に浮かんだ。伊坂の作品の中でも異端に思う。内容は、山田王求という野球選手の一生を綴った物語である。それも、天才というレベルを超えた、まさに「野球の王様」のお話。「単行本版」「雑誌掲載版」「文庫本版」の三バージョンの構成か…
前を向いて、前だけを見て、これから過ごしていくことになっている。「自分が変われば、世界が変わる」なんて、嘘っぱちだ。そう言ってやりたい。世界は、変わらない。自分が変わっただけで変わる世界なら、いらない。確固たる世界でなくてはならない。だか…
コンパクトデジカメで撮ってインスタグラムで加工すればこれくらいになるなら、高いカメラを買わなくても良い気がするけれど、騙されてはいけませんよ。所詮は、コンデジですからね。やはりええやつには敵いません。。
久しぶりに中古コーナーを巡った。何とも嬉しいような悲しいようなシステムである。一度他人の手に渡ったからといって「この本がこの値段かよっ」と三村ばりのツッコミを入れる。だからもちろん、さくらももこの『ひとりずもう』を手に取った時も「100円…
『バイバイ、ブラックバード』があまりにも感慨深く、他の伊坂の本を読み返そう、と息巻いた結果だ。これほど疾走感に富んだ小説も珍しい。殺し屋の殺し合い、とは、どんな戦いなのだろう。地下で拳銃の打ち合い?繁華街の一角で、ナイフ一刺し?殺すことへ…
綺麗なバイトさんだなと、見惚れる。これが男の性である。もちろん凝視はしない。この時点でキモチガワルイのに、それが増長し悟られる前に目を伏せる。 「104番」ぼそっとタバコを注文する。綺麗なバイトさんは感情を込めず「こちらで宜しいでしょうか、…
少し薄めの、赤に近い朱色のニット。ぶかぶかの紺色の短パン。白を基調とした柄が入ったソックスに、スリッポンかスニーカー。で、出かけたい。公園とかに行って、はしゃぎたい。サンドイッチを食べてコーヒーを飲んで、昼寝したい。レンタルバイクに乗って…
共感覚、という言葉は惹かれる。数字に色が付いている、数字によって形が異なる。そう聞くと、わくわくする。自分の見える世界と、ほかの人の見える世界が違っている。そういうことになる。でも、少し分かるのは、たしかに素数はステキだ。私は、17がすき。…
二人で書いたのか、うまくいくものなのか?そう思って興味が湧いたので買って読んでみた。新書を買ったのは久しぶりで、読むのに時間がかかってしまった。 あらすじからすれば、旧友であった相葉と井ノ原が偶然に出会い、感染症にまつわる謎に巻き込まれ、世…
いよいよ冬になり、澄み渡る青空が広がっている。 私は午前中で仕事を切り上げ、東京に向かう予定に浮き足立っていた。だが、できる限りをやって切り上げようともしていた。仕事だからだ。仕事はやらねばならない、作業の一面も含まれている。私は、そう考え…
「隣の芝生は青い(青く見える)」というのは、イギリスの諺。自分たちの庭にも芝生はあるが、隣の家の芝生の方がより青く見える。このことから、他人のことは良いように見える、という教訓である。私は、この諺が好きだ。他人を羨ましがっても、何も始まら…
冬が来たよ。身体が冷える時期が来た。すると、温かいものが増えていく。温かいものを食べたり、飲んだり。温める服を着たり、する。そして、代表的なのは、こたつ。入ったら、なかなか抜け出せませんね。温かさとは、人をダメにするのではないでしょうか。…
「面白い」と、括ってしまうのはまるで芸が無いと怒られそうだ。だから、「面白い」という言葉では括れない、としてみるが、それはそれで芸が無い。書く、という仕事は想像以上に曖昧かつ聖域化しているのだと感じる。素直に好きだから、という理由で職業に…
やんなっちゃったからには、旅に出るしかないんじゃないでしょうかと言いあい、その場で行く場所と日にちが決まった。 「春の虫」の一文。この一文が頭から離れない。この言葉が、とにかく落ち着く。どこか寂しい。どうして重なる。どこか羨ましい。いやに鬱…
だが大丈夫だ、タイプはできている。先日先輩が言っていた。「記憶を無くすまで飲んでみたい(だったかな?笑)」。理性というリミッターを外してみたいという点で共感する。就職をして、辞めて、実家に戻って。昔から思い描いていたステップを重ねるにつれ…
もし生まれ変わるなら、男性、女性、どちらに生まれ変わりたいですか。女性インタビュアーが、街行く男性に質問をする。男性は数秒悩んだ後「また男性がいいですかねぇ。」と照れくさそうに答える。女性インタビュアーはすかさず切り返す、「あなたがまた人…
父が好きそうだな、と思い、購入してみた。「〇〇なのに、××だ」的な、ギャップが父は好きなのだ。よって、私も好きなわけである。余談だが、ギャップが好きということを、トキメキを禁じ得ない、と書くとものすごく変態みたいで笑けてくる。畏まって書いて…
複雑に絡み合ったこの社会は、どうしてこうも生きにくいのか。 リーガルハイ 完全版と2ndを見終えて。 夢や理想とは、どれだけの力が、価値が、癒しが、あるのだろうか。1stシーズンを終えて、新たなキャラクターが登場する。平和的で平等な解決をポリシーと…
「休みを満喫することにするよ」と私は言った。母は、「いいな…」と零した。 朝、仕事だったのに寝坊した私は、ほんの少しだけ仕事を手伝い、母の作ったおはぎを食べていた。悪びれる様子も見せず(内心は悪いなと思っていたが)、いけしゃあしゃあと、実家…
やっぱり天才か。こんなふうに文章を書いてみたい、憧れと距離を思う。包み込むような心地よいメロディが流れ、気持ちが落ち着く。少し乱暴にいるときや焦燥を感じているときに川上弘美を読むと、効果はテキメン。それはそれでなんだか恥ずかしかったりする…
最初に思ったのは、くどい人なんだろうな、ということだ。だから、あんまり頭に残ってない。メソッドとかセオリーとか、結局はっきりとした形ではない。それは、ある意味仕方ないのかもしれない。著者も言っていたが、こうすればああなる、といった簡単な式…
コンタクトレンズを付けてから、約一週間が経つ。すなわち、理性と本能の戦いも早一週間となった。 理性「出勤時間まで間も無いぞ、何をしておる…また貴様か!」 本能「何度でも立ち塞がってやるよ」 理性「ええい…下瞼を引き下げ、上瞼を吊り上げよ。眼球を…