【読書log】ゆっくりとさよならをとなえる/川上弘美
やっぱり天才か。こんなふうに文章を書いてみたい、憧れと距離を思う。包み込むような心地よいメロディが流れ、気持ちが落ち着く。少し乱暴にいるときや焦燥を感じているときに川上弘美を読むと、効果はテキメン。それはそれでなんだか恥ずかしかったりするのだが。言い回しやセンテンスの構成、絶妙なのである。きっと、すてきな人なのかな、とか考えてみる。どんな人なんだろう。思ったよりも割り切りの上手な人なのかもしれないし、底意地の悪い人なのかもしれない。でも、それでも、この人の文章を好きなことにはかわりない。
タイトルにもある、ゆっくりとさよならをとなえる、は、至高の文章だった。なんとも、電車のなかで読み終えたのが、よくなかった。