濃いお茶がこわい

ブログ名は、落語「饅頭こわい」のさげ。よく出来た話である。

【読書log】SOSの猿/伊坂幸太郎 *再読* 1/2

今、キャバクラにハマっている、友人がいる。無論私ではない。それはもう、キャバ嬢にメロメロである。そもそも、なぜ、男はキャバクラに行きたがるのか。それは、なぜ男は女の人が好きなのか、という男の本能を疑問視するのに等しい。理屈抜きに男は女の人が好きなのだ。以上。そして、根本的に、男は愛されたいのだ。通常女の人の方が、愛されたい願望があるようだが、実は反対らしい。いつだって男は「愛される男」になりたいのだ。反対に、女の人は愛していたいのだ。だから男は、ずっと愛される対象であり続ける努力をする。それが、愛される対象として見られるかを気にしながら。一方で、女の人は愛することが好きなのだとか(私は男なのでわからないが…)。もとい私の友人の場合、キャバ嬢から愛されるには「金を持っている」しかないのだけど…。

この『SOSの猿』を読み、やっぱり伊坂幸太郎はステキだと思う。めちゃくちゃ面白いし。主人公は、家電量販店で働く遠藤二郎。エアコンを売っている。遠藤二郎は、人のSOSに敏感で、他人の助けを放っておけない。例え、自分が無力であっても。遠藤二郎が昔イタリアに留学した際、悪魔払いの修行を積んでいたことを、幼いころ憧れていた近所のお姉さん、辺見さんが知る。物語は、その辺見さんの息子、眞人君が引きこもりになったことから始まる。その眞人が悪魔に取り憑かれた、だから協力してって。無論断るわけにはいかない。

この物語には、もう一つ裏でストーリーがある。菩薩証券で、ある事故が起こる。株の売買のとき、一株五十万で取引されるものが、五十万株一円でやり取りされ、その被害額は三百億円。その原因を探る五十嵐真。桑原システムの社員で、システムのバグの、原因の原因を探ることが仕事だ。桑原システムは菩薩証券へシステムを導入していた。なぜ、そのような事故が起きたのか。また、この二つがどのように絡み合うのか。そこまではここで紙面を割けない。

それよりも私の友人が、なぜキャバクラにハマったのか、それはまた次の回にて。