濃いお茶がこわい

ブログ名は、落語「饅頭こわい」のさげ。よく出来た話である。

【読書log】ガソリン生活/伊坂幸太郎

とにかく暑い。マジでどうにかなりそう。今年の夏は、何もすることがなくて、このままではつまらない夏になってしまう。だから、少し仕事を頑張ってみようと思う。予てから新商品を構想していた。それを試行錯誤し、製造テストを行い、カタチにしようと企んでいる。というか、カタチにする“夏”にするのだ。大人になっても、いまだに夏の自由研究という課題を持ち越している。これは、いい夏になりそうだ。…たぶん(汗

思い返してみると、学生の頃の夏とは大違いだ。学生の頃は、夏は本当に一瞬だった。マジあちぃ…とか言って、汗かきたくないから部屋でゲームして漫画読んで、気づけば「俺の夏」は蒸発していた。なのに、そこには確かに、学校の宿題がこびりついていた。どうにかして早く流したくて、だけど、仕方なく最終日に片付けることにしていた。毎年、同じことの繰り返しだったけど、それが、いわゆる“夏”であったのも事実だった。

『ガソリン生活』は、そんな夏にぴったりである。それは夏に、いろいろなところへ出かけるという点で、ぴったり。車が会話をするのだ。もちろん、人間とはできないが、車同士で会話が行われているのである。所有者のこと、自身のメーカーについてや、街で起きたいろいろな出来事について。車から見える世界は、こんなにも平和的なのかと思うと、とても癒された。あ…この話のあらすじは、申し訳ないけれど、他をあたってくらはい。

あとね!あとね!、たとえば他にも、踏切で、先頭で待っている時、貨物列車が通ると憧れの眼差しを向けたり、タクシーは高飛車だったり、自転車とは会話できず、話しかけても「●&」としか言わない。すれ違う車と会話をして、渋滞の原因を聞いたり、駐車場で隣の車に話しかけられたり、所有者の知らないところで、車はたくさんのことを楽しんでいる。そう考えると、何だか嬉しい気持ちが湧き上がってくる。

きっと、そうこうしているうちに、夏も終わってしまうから、車でどこか少し遠い場所へ行こうかと考えている。山梨あたりなら、日帰りで楽しんで帰って来れるかもしれない。ガソリンを満タンにして、朝早く出発する。まだ夏のうちに、そのわくわくを一度くらい味わってもいい気がする。私の愛車も「静岡から来たんすよー」とか言って、喜んで話しかけるかもしれない。ほら、幾らかいい夏になりそうでしょ?笑。大人の夏はまだまだこれからですよー!