濃いお茶がこわい

ブログ名は、落語「饅頭こわい」のさげ。よく出来た話である。

【読書log+α】あひるの空/日高武史 *再読*

お盆休み、と言えば、漫画の読み直しだろう。冷房をかけた部屋の中、布団の上で、お菓子やジュースを飲みながらも悪くない。読み直したのは、『あひるの空』というバスケ漫画。そもそも、読書になるのか。いや、読書ではないと思うが、少なくともそこには夢中になるものがある。テキストと絵から、さらに臨場感を伴い、ストーリーに入っている自分がいる。各キャラクターの成長を最初から知っている感覚に陥ると、なんだか放っておけない。それは、敵チームにも言えることである。皆、色々な試練や苦労を超えて、バスケを続けている。そして、それぞれが重なり合うゲーム運びには、ドラマが生まれる。

うん、いいことを書いた気がする。いや、所詮はフィクションであって、現実ではない。作者と編集者との間で決められたオチに向かって、流れていくものである分、そこから逸脱した動きを見せているような錯覚を覚える。ひょっとして、本当の出来事なんじゃないかと。描いている本人も、思いもつかないような展開なのではないかと。

「『お前は、"家鴨"だ』。飛べないことが不幸だと思ってた。足りないことが不運だと思ってた。遠くからコートを眺めているだけの僕に、呼人(監督)がそう言ったんだ。それでも生きてる、そして生きていくんだ。自分で動き出さなきゃ、朽ちてくだけだぜ、って。今動かずに、いつ動けって言うんだっ」。この言葉に、何度奮い立たせられたか。お菓子食ってジュース飲んで、ごろごろしてる場合じゃねぇ。けど、今は…ほら、読んでっから。