濃いお茶がこわい

ブログ名は、落語「饅頭こわい」のさげ。よく出来た話である。

【読書log】バイバイ、ブラックバード/伊坂幸太郎 *再読*

綺麗なバイトさんだなと、見惚れる。これが男の性である。もちろん凝視はしない。この時点でキモチガワルイのに、それが増長し悟られる前に目を伏せる。

「104番」ぼそっとタバコを注文する。綺麗なバイトさんは感情を込めず「こちらで宜しいでしょうか、画面タッチをお願いします、ありがとうございます、四百六十円になります」共に流れ作業を行っている感覚を覚える。「104番」、凍死か、エンギガワルイ。加えて、時計を見れば大概、4:27、死にな、だったりする。何とまあ、わかりやすい追撃だろうか。そう言えば、予てから再読しようと思っていた、伊坂幸太郎の『バイバイ、ブラックバード』にも語呂の話があったことを思い出した。あの話が一番好きだなと思うが、隅々まで思い出せない。話のラストも靄がかかっている。ダメだ、この際、読み返そう。本を詰め込んである段ボールを漁った。

伊坂幸太郎の本の中で、どれが一番好きですか?という問いがあれば、この本が好きだ。と答えるつもりでいる。そう言う割には、一つ一つの話や言葉の端々まで記憶していなかったなと反省すると共に、改めて新鮮な気持ちで読み進めていく。各ストーリーの心地よい着地に、まさに痛快なラストに感服する。一言で言えば、楽しげ、である。最近、この「楽しげである」ことが、結構大切?重要?なのではないか、そんなことを考えている。緊張感の中の「遊び」ほど愉快なものはない。そんな風に生きていけたら、この先の人生は悪くないのかもしれない。いや、そもそも、104(投資)する価値があるのかもしれない。そんな風に、考えてみた。