濃いお茶がこわい

ブログ名は、落語「饅頭こわい」のさげ。よく出来た話である。

【読書log】笑う月/安部公房 2/2

あ、オチた。と思ってしまったので、別枠。あまりにも『笑う月』の内容を省いてしまった。猛省している。これは著者の、夢と現実と創作の狭間17連発である。夢のなかの話なのか、現実に安部公房が考えているのか、創作の部分なのか、読者は迷い込むことなるだろう。しかも、ぶっちゃけちょっと何言ってるかわからない。不気味ですらある。だが、ハマる人にはハマるとは思う。私も好きなジャンルではある。ただ、自分でも何言ってるか分かってるのか?と問い詰めたくなるような話は、大概は、はじかれる。でも、その微妙なバランスがステキだったりするんすよね。そしてそれが、時に救いにもなるんすよ。きっと。

大人になって、って、いつなったのか忘れたけど、多分もう大人なんだけど。大人になって、最初の壁は、日々働くということ。お客様がいて、自分がいて、社会の中で。その壁にぶち当たる瞬間とは、これから先、いつまでもこの有様なのか、と考えることだと思っている。そう考えていると、周りで色々なことが起きて、日々働くことの苦労と喜びを噛み締めるようになる。怒られたり褒められたりして、それらを肴に酒を飲んだりする。そこで、それすらいくらか夢だったらいいのに、と思う。逃避したい気持ちと、現実にいる意義との微妙なバランスが、やっぱり、ステキに写るんすよね。そしてそれが、時に救いでもあるんすよ。きっと。