濃いお茶がこわい

ブログ名は、落語「饅頭こわい」のさげ。よく出来た話である。

【読書log】もものかんづめ/さくらももこ

ちょっとだけの、恋をしている。あの人いいなぁ、と思う人がいる。まだほとんど知らない。数回だけ話した程度でしかない。もうちょっと知りたいなと思っている。話しかけたいけど、なかなか話しかけるのもむつかしい。どんな話したらいいか、とか考えてる時点で、結構気になってるのだと思う。やっぱり彼氏はいるのかな、とか思って、尻込みしてる。いつも勇気が足りない。頑張って振り絞って、ようやくたどたどしく話はじめる。どうも恋は奥手なのです。

そういえば、二十七歳になった。もっとちゃんとしなきゃです。幾らか弱気なのは、太々しいよりはマシだと考えている節があるからで。決して何かを失ったからではありません。嫌われたくないから、というのに近いですが、やたら嫌われたくないとも思ってない。私は煩わしいのが嫌いなので、それが増えるような言動を慎んでいるに過ぎない。さらに、煩わしさを回避することの煩わしさに足を取られないよう気を配る必要もあり、結局煩わしいあれこれが発生し…。

こうやって考えていると、さくらももこが羨ましく思える。ときに笑える。「ちびまる子ちゃん」の適当さが『もものかんづめ』に詰まっている。嫌なことから目を背けたいときは、さくらももこのエッセイを読むようオススメする。題材、語彙、言い回し、エッセイとしてのクオリティはかなりいい線である。大げさに言えば、爽快である。私は、前回のブログでも書いたように、昨年末から慌ただしくどちらかと言えば閉塞感のある日々を送っていた。そのなかで『もものかんづめ』は、どこか愉快で、パッパ、パラリラであった。