濃いお茶がこわい

ブログ名は、落語「饅頭こわい」のさげ。よく出来た話である。

【読書log】キャプテンサンダーボルト/阿部和重 × 伊坂幸太郎

二人で書いたのか、うまくいくものなのか?そう思って興味が湧いたので買って読んでみた。新書を買ったのは久しぶりで、読むのに時間がかかってしまった。

あらすじからすれば、旧友であった相葉と井ノ原が偶然に出会い、感染症にまつわる謎に巻き込まれ、世界的パンデミックから世界を救う。と、いったところだ。出来過ぎている?そう、出来過ぎている。それでいて、わかりやすい。幾度となく窮地に追い込まれ、その度危機一髪で回避する。まさに戦隊ヒーローだ。いつも無茶苦茶で世話やきの相葉と、冷静で心優しい井ノ原。推測でしかないが、相葉が阿部で、井ノ原が伊坂なのかな、と思いつつ読み進めてきた。そして、ひょっとすると、桃沢という女性は担当編集者だったりして。いずれにしても、共通事項を以ってして書き進められてきたのではないだろうか。年代も同じくらいの彼らには、価値観の共有もそこまで難しくなかったのではないかと思う。が、その一方、作品を作るとなると話は違う。そこで、ある程度共有できる事柄から話を進め広げ肉付けをしてきたのだろう。

基本的には、とても評価している。二人で一つの小説を作り上げることはいろいろな障壁があったことと思われるから。だが、正直、こちらへはそんなにメリットはないんだよなと考えてしまうと、元も子もないのか…。細部の展開が単純だったり、強引なことも、戦隊モノを引用していることから目立ちにくいし。いや、それもエンターテインメントなのだ、と言われればそれまでだが。

支離滅裂なlogになってしまった。が、映画化に期待したい。この小説の映画は見てみたい。そして、上映中止になったらもっと面白いのだけど。